兄貴が物知り火垂るの墓

【兄貴が物知り火垂るの墓】
「兄ちゃん、母ちゃんは…?」
「節子、よく覚悟して聞くんじゃ・・・
 先ほどの空襲で母ちゃんは全身の7割に四度の熱傷を受け、
 それがもとによる熱傷ショックと脱水症状を起こし、
 昭和20年6月6日午前十時三十二分に脈拍と呼吸の停止、瞳孔拡散状態になったんじゃ。」
「・・・うちには難しくてよく分からんけど、帰ってこれんの?」
「母ちゃんは兄ちゃんがきちんと荼毘にふせておいた、節子は何も心配せんでいい。」
「分かった、兄ちゃん。」 *  *  * 「兄ちゃん、なぜ蛍すぐ死んでしまうん?」
「そうじゃなぁ…まず、蛍は幼虫の期間含めれば1年以上生きておる。
 昆虫としてはごく普通じゃ、カブトムシだってその程度やで。
 第二に飼い方が拙かったのかもしれん。
 こんな狭い中に、水も何もなしでいっぱい閉じ込めたのがいけなかったのかもしれんのう。
 節子、この次はこうならんように失敗を教訓にして、同じ過ちを繰り返さないことが大切じゃ。」
「兄ちゃんは物知りだね!」 ]]>